貫汪館 横浜支部稽古

猛暑が続く中、熱中症に気をつけての稽古となりました。
体育館にモップ掛けをして着替えると、じっとしていても汗がだらだらと流れ落ちてきます。

小学校の体育館にはもちろん空調はありません。

 

まずは正座して黙想
10分も座っていると、自然と体の力みが取れていきます。
普段の生活から力まないように気をつけているつもりなのですが、静かにただじっと座っていると、自分がいかに力んでいるかがよくわかります。

 

続いて棒回し
都合により六尺棒ではなく半棒で。軽くて短い分、回すのが難しいです。
刀と同じで、長くて重い方が勝手に動いてくれることがよくわかります。
肩を落とし重心を沈めて肚で回しているつもりですが、5分も休まずに回していると、前腕外側の手首近くが張ってきます。無駄な力が入っているのでしょう。
体育館の長さを目一杯使って前進後退しながら回していると、だんだん回転と進退が合わなくなってきます。

二三歩前進後退しながら回している分には問題がないのですが。
実はいかに自分が腕先で棒を回しているかということがとてもよくわかります。
休まずに10分ほど回して終わりにしました。

 

続いて半棒表と裏
右に半棒を立てると、つい打太刀の打ち込みを待ってしまいます。
さあ来い、さあ動くぞ、というこの気持ちを消してしまいたい。でも、難しい。
ただ立つだけで、いかに自分の我が強いかということを思い知らされます。
そけい部を弛めて、重心を沈めて、肚で動き、肚で打つ。
腕の力で打ち込まないように気をつけます。

 

渋川一流の居合
長い刀では少し難しい動作がいくつかあるので、普段は短い刀を遣っています。
今回は二尺八寸の刀を遣ってみましたが、とくに問題なく抜くことができました。

反りがやや強いせいかと思います。

 

無双神伝英信流抜刀兵法
いつもは二尺八寸六分で鞘を払って1500グラムの真剣を遣っていますが、
体育館では安全性の観点から真剣の使用ができません。
二尺八寸で鞘を払って1050グラムの模擬刀なので、短くて軽く少し扱いが難しい。
また、樋が入っているので、ゆっくり振っても音がするのが気になります。
重さは以前遣っていた二尺六寸五分の真剣と同じですが、やはり真剣と模擬刀では感覚はまったく異なります。

真剣でも模擬刀でも、長くても短くても、重くても軽くても、同じように動けるようになりたいと思っています。

 

大森流
部屋での稽古と異なり、天井や壁障子を気にする必要がありません。
よく、居合は室内用うんぬんかんぬんという説を聞きますが、少なくとも大森流はそうではないように感じます。よほど天井が高くて広い室内なら別ですが。
後半の業は立って進み、振りかぶって斬ります。天井が気になります。
前半の業も、血振るいでは切っ先を大きく回します。壁が気になります。
三つの障りにはもちろん留意しますが、大森流は大きく伸び伸びと稽古したい気分です。 
成立の背景からも、剣術の要素が強いように感じます。

 

英信流表
大森流とは異なり、室内でも問題なく稽古することができます。
一本一本仕切り直すと壁が気になりますが、早抜きではちょうど良い位置取りとなります。
唯一、瀧落の斬撃で天井が気になりますが、他流で座りながら斬るのはそのせいかな、などと想像したりもします。
自宅での稽古では、場所とともに時間の制約もありますので、つい早抜きにしてしまいます。
今回は場所も時間も制約がありませんので、一本一本仕切り直して稽古しました。
大森流とは異なり、柔術の要素を意識しながら稽古しています。

 

英信流奥
座って行う業には三角や四角などの一見派手な業もありますが、室内でも問題ありません。
詰めて座っている相手を想定しているのでしょう。例外は虎走です。
立って行う業は、室内では無理がありますが、体育館では問題なく稽古ができます。
本来、立つために座るのですから、立ちと座りを区別すること自体が問題かと思います。
しかし実際には、座るのと同じように立ち、歩むことはなかなか難しい。虎走はさらに。
その前に、ただ座ることすらとても難しいと感じます。

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太刀打
鞘木刀で稽古します。最初の二本はお互いに納刀して始める居合の業ですが、続く業はお互いに抜刀状態で行う剣術の業です(後半の1本はこちらのみ納刀)。
大森流と同じく、英信流が土佐に伝わってから付加されたものでしょう。
納刀であろうが抜刀であろうが、自分のみ納刀で相手が抜刀であろうが、同じように動きたいものです。

相手がいても、素抜き抜刀術で稽古している動きと同じように動きたいのですが、それがなかなか難しい。

けっきょくは心のありようなのだと思います。

 

詰合
鞘木刀で稽古します。

最初の五本はお互いに向かい合って立膝で詰めて座り、納刀で始めます。
六本目はこちらが座って納刀、相手は立って抜刀。

七本目はお互いに立ってこちらが納刀、相手は抜刀。

以降はお互いに立って、ともに抜刀です。
太刀打に比べて、手数が多く、内容も豊富で、稽古していて楽しさがあります。

 

大小詰
向かい合って立ち膝で詰めて座ります。

こちらの帯刀を相手が素手で制してくるのを外して、押さえたり転がしたりします。
つい相手をどうにかしたいと考えてしまいがちで、そうするととたんにこちらの体勢が崩れ、腕力になってしまい、とても相手をどうにかできるものではありません。

座ったままの体勢で動き、結果としてなにもしなくても相手が勝手に転がる、というのが理想です。なかなか上手くできませんが。
居合、剣術、柔術という言葉にこだわって、さらには自己と相手にこだわっている間はできないのかもしれません。 

 

大石神影流
総長三尺八寸の、通常より長い木刀を遣います。

本来は「立ったときの自分の乳の高さ」とされていますから、六尺弱の私の身長ではもう少し長くてもよいくらいです。

四尺二寸一分(約128センチ)の杖が、ちょうど私の乳の高さになります。
長さ自体は普段遣っている居合刀と変わらないのですが、やはり木刀特有の振り難さのようなものを感じます。つい握り込んで力で叩き付けるようになりがちです。

大石神影流は、振りかぶり振り下ろしに特徴がありますので、そこにも注意が必要です。連続して打ち込む手数(形)では、より注意が必要になります。

 

試合口
内容はとてもシンプルですが、位を見て、張り、突き、いずれもおろそかにはできません。

 

陽之表
シンプルな試合口と異なり、流派の表業として、さまざまな技法が出てきます。
手順を追うのは簡単ですが、気先を掛けるのが、難しく感じます。

 

陽之裏
表に比べて手順の多い手数がある一方、逆によりシンプルな手数も増えます。
より素早い動作が求められる一方、位をもって先をかけるなど内面的な難しさも増えます。

 

次回の稽古は8月31日(土)です。

体調を整えて、多数の参加をお待ちしています。

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