貫汪館 横浜支部稽古

家の近くで梅が咲いているのを見かけました。
つい先日、年が明けたと思ったらもう2月。早いものです。
年を取ると月日が経つのが早くなると言いますが、それを実感します。
20歳の人にとっての1年は人生の20分の1ですし、
40歳の人にとっての1年は人生の40分の1です。
人生における1年の割合がだんだん小さくなっていくのですから、
相対的に早く感じるのもむべなるかなという気もします。
それとも単に、だんだん感覚が鈍くなっていくだけなのかもしれません。

 

2月は如月です。きさらぎ。キサラギ。なんだかカコイイ。
うぃきさんに聞くと、いろいろ教えてくれます。
 「如月」は中国での二月の異称をそのまま使ったもので、
 日本の「きさらぎ」という名称とは関係がない。
 「きさらぎ」という名前の由来には諸説ある。
などなど。

 

そしてまた、デンさんの貫汪館入門まる2か月でもあります。
昨年12月1日に入門。
普通3か月とかで話題にするものですが、ちょっとうれしかったので
先に書いちゃいました。てへ
ちなみに今年の2月は28日なので、3月1日にも稽古があります。
ちょうど3か月になる予定です。
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居合刀2本、大石神影流の木刀2本、常寸の鞘木刀を持って家を出ます。
デンさんは二尺八寸の居合刀と大石神影流の木刀を注文済みですが、
まだ届きませんので手持ちの物をお貸ししています。
私の荷物が減れば、半棒や六尺棒、小太刀などを持って行けるので、
稽古の幅もさらに広がるというものです。今から楽しみです。

 

デンさんに少し早く来ていただいて、いつもより早く稽古開始。
6時15分から。体育館は6時から9時まで利用予約をしています。
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大石神影流剣術

試合口五本
陽之表十本

例によってさらっと通します。打太刀に立って、仕太刀だけ。
試合口五本はだいぶサマになりました。
陽之表十本もそれなりに動けます。たいしたものです。

 

一対一で向かい合って稽古していれば、あれこれお教えしなくても、
勝手に吸収して上達してくれるのではないかと思います。
教える方がしっかりしていて、教わる方にその気があればですが。
どうもダメだなと思ったときは、打太刀の動きをやってもらって、
仕太刀の動きをやってみせます。
動きを傍から見ることはできませんが、直接体験できるのですから、
これ以上の稽古方法はないのではないかと思います。手前味噌
ただ体感だと、速さや強さばかりが変に強調されてしまって、
逆効果になってしまう場合もあります。
その加減は、お相手の方の性質や修業の度合いを見ながら、
ということになるかと思います。

 

形の手順は覚えるのが大変です。
最初はどうしても暗記しなければならない。
えーと次の業はなんだっけ、構えは何だったっけか、というのは
よくあることです。
ですが上位の者が打太刀に立っていれば、次の業の名前と構えを
示すことができます。
そうして始まってしまえば、あとは動くしかありません。
そうして稽古を繰り返していれば、そのうち何も考えなくても
体が勝手に動いてくれるようになってくれます。
体はとっても頭がいいです。
小さな頭は、いつも邪魔ばかりしてくれます。
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無双神伝英信流抜刀兵法

 

立ち座り
立ち姿勢から、腰を落として蹲踞の姿勢になり、また立ち上がる。
静かにゆっくりていねいに。勢いで雑に動かない。
前後左右にぐらぐらしない。中心線を感じる。
動き始め、動き終わりで加速しない。均等な速度で。
できるだけ小さな力で動く。姿勢を保つ。筋力で固めない。

 

とてもきつそうです。
静かにゆっくりていねいに動くのは、とってもきついです。
勢いで動くのは、とっても楽。
あれ、いつも楽に楽にと稽古しているはずなのに。
どう違うのでしょうか。
部屋を散らかしっぱなしで楽、というのと、
きちんと整理しているから楽、というのの違いかもしれません。
どちらを選ぶかは、その人の自由かと思います。

無理無駄がなくなれば、きっと楽になることと思います。

 

あんまりきつそうだったので、カウントしながら一緒にやりました。
カウントとか、あまり主義ではないのですが。
10まで数えると、予想通り、へーっと勝手にやめてしまいました。
別に10までとか言ってないし。
十進法の呪縛ですね。別に9回でもいいし、11回でもいいはず。
よければ1回でも十分ですし、ダメなら何回でも。
気の緩み、油断。それだけきつかったということでしょうか。
でも、きつかったから油断するようでは、武術武道を稽古しているとは。
残心は、基本の一つかと思います。そしてとても重要なものの一つです。
基本はどれも重要なものですが。

重要なもののことを、基本と言うのかと思います。

そして上手というのは、基本のレベルが高い人のことを言うのだと思います。

もちろん、それだけでは足りませんが。

 

歩法
立ち上がって歩きます。だいぶできるようになりましたが、まだまだ。
指摘するとすぐにわかる場合と、なかなか通じない場合があります。
できなくても、違いがわかれば自分で稽古ができます。
自分でわからなければ、稽古のしようがない。
しばらく繰り返します。

 

帯刀して歩きます。
刀がガイドになってくれます。自然に半身となり、腰も弛みます。
刀に導かれるように歩きます。いい感じです。

 

抜刀して晴眼に構えて歩きます。よりいい感じです。
ただ、下がるのが少し苦手のようです。ぐらぐらと不安定。
動きにも雑さが目立ちます。あれこれと指摘してだいぶ。
薄氷の上を歩くように、とお伝えしました。

 

斬撃
かんぺきにはまりました。
やってもやっても手と足が合いません。腕だけ、足だけ。
腕が動くときは足が止まり、足が動くときは腕が動かず。
左足で振りかぶり、右足で下ろす。
とっても単純です。
もちろん実際には右足で斬ろうが左足で斬ろうが構いませんし、

右足が寄りながら振りかぶって右足が出ながら斬っても構いません。

自由でなければ、自在でなければ、遣いものにはなりません。
ただ便宜上、稽古の方便として、一応動きを指定します。
速く強く振ろうとすると、力みが出て体が固まり、足が止まります。
それでは、虎走、追掛抜、馳抜など抜けようはずもありません。
そもそも居合にならない。
一緒に動くとできるのですが、お一人ではできず。
頭で考えると、体が動かなくなります。
いつまでも振りかぶることができずに、延々と端まで歩いてしまったり。
おもしろいですね。考えすぎなのかと思います。

 

斬撃は、歩法の延長でしかありません。
歩法では歩く稽古をして、斬撃では刀を振る稽古。
それでは上達のしようがありません。

無意識にでも、そういう考えがあるのではないかと思います。

根本的な自覚反省が必要かと思います。
外からではどうしようもないことです。自分とのたたかいです。
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初発刀
まずはお一人で抜いてもらいました。上手になっています。先週より。
自分で稽古しましたかとお聞きすると、家で稽古しましたと。
見ればわかります。
 男子三日会わざれば刮目して見よ
と言います。
たった三日でそんなに違うものかとも思いますが、少しでも本気で運動や

トレーニングをしたことのある人なら、よくご存じのことと思います。

運動に限らず、技能系、芸事、武術武道でも同じことでしょう。
 1日練習を休むと自分でわかる。

 2日休むと批評家にわかる。
 3日休むと聴衆にわかる。
と言います。
ポーランドのピアニストで元首相だったイグナツィ・パデレフスキーの
言葉だそうです。
他にも、2日休むとコーチにわかるとか、仲間にわかるとか、
3日休むと観客にわかるとか、いろいろバリエーションがあるようです。
ピアノだけでなく、バレーや他のスポーツでもよく聞きます。
 1日サボると取り戻すのに3日かかる(3か月かかる)とも。
こちらはいずれも、毎日稽古していることが前提ですね。
最近では、
 1.01の法則、0.99の法則
というのもあるようです。

 

抜き付けのときに、柄手をわずかに握り込んでしまいます。
普通は気にしないレベルですが、私にはとても気になります。
右手を見ていてもまったく気付きません。外形の変化はありません。
ですが、その瞬間に全体の動きが滞ります。
本人にはまったくその気がないので、なかなか気付きにくいです。
私も散々、館長に指摘されたのでした。

 

抜き掛けで右肘が伸びてしまいます。右腕で抜こうとするからです。
体の開きを遣えば、肘が伸びることはありません。
身長六尺で二尺八寸の刀なら、決して無理な長さではありません。

 

運剣がダメです。
まったく気を配っていません。少なくとも私にはそう見えます。
抜き付けた瞬間の姿勢と、背後に振りかぶった瞬間の姿勢のみ。
始点と終点だけで途中がない。
運剣です。剣を運ぶ。その途中経過が大事。

一瞬たりとも気を抜いて良い瞬間というものは存在しません。

どの瞬間も均しく大事です。

そもそも、途中とか極めとかないですし。すべて一つの動きです。

細かく説明しましたが、なかなか。今後の課題の一つです。

 

斬撃は右前腕が強すぎます。しかも上筋。
軽い刀ならそれでも振れますが、重い刀では無理です。
両腕と刀が一体にならないと。刀と体が一つにならないと。

 

血振るいは切っ先が大きく地を這うように。
下ろすのに腕の力は使いません。

 

立ち上がりはまっすぐ。足の力を使わない。
上体のブレが気になります。だいぶ小さくなりましたが、まだまだ。
自分ではわからないとのこと。
ビデオで確認するのも有効な手段の一つとは思いますが、それはあくまでも
初心のうちだけのことかと思います。
自己の内観ができないようでは、稽古にも限界があろうというものです。
より繊細な感覚を養っていただきたいと思います。

 

納刀は自然に。
前後左右に分け開く。鞘をこねくり回さない。握らない。極めて軽く。

刀の重さで勝手に納まります。

 

静かに膝を着き、また静かに立ち上がる。
元の位置に戻る。

 

ふーやっと一本抜き終わり。
初発刀だけでも稽古にはキリがありません。
初発刀がかんぺきに抜けたら、他の業も楽勝なことでしょう。
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8時45分に稽古終了。いつもより15分延長です。
開始も15分早めましたので、いつもより30分長い2時間30分の稽古。
大石神影流は30分、歩法と初発刀に2時間かけてしまいました。
基本をきちんとやっておけば後が楽です。いそがばまわれ

 

デンさんは、稽古翌日の日曜はいつも太腿が痛くて動けないのだそうです。
私も広島の講習会帰りの新幹線では、いつも大変な思いをしていました。
でも最近はまったく平気です。そういえば。
別に太股が太くなったりしたわけではないのですが。
体重は、以前よりちょびっとだけ増えました。
腕立て腹筋背筋などはまったくやらなくなったので、お腹はぽよぽよです。

 

始めと終わりの着替えの時間は、雑談の時間でもあります。
あれこれと質問されるので、あれこれとお答えします。
内容はちょっとここには書けません。てへ

 

でもって、タブレットで YouTube を見せてくれました。
ドリフの剣術修行のコントです。私はどんぴしゃな世代です。
デンさんは一世代前のはずですが、ご両親のビデオでご存じなのだとか。
まじめな師範がいい加減な弟子に翻弄されるという形式です。
笑って済ませるのが普通ですが、感じるところがあったのだそうな。
太刀打や詰合で、私にすかされたり返されるのと同じ感覚だそうです。
正直私も、笑うというよりそういう観点で見ていました。
ばか笑いをするというより、にやりとする感じです。ちょっと違うか
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来週の土曜は、横浜支部の稽古なし。

 

日曜は日本武道館で日本古武道演武大会です。
貫汪館は、今回は残念ながら出場なし。加盟団体が毎年交代で出場します。

観客席にいると思います。よろしければお声掛けください。

 

火曜は横浜講習会です。大石神影流の試合口と陽之表です。

H26.2.6