貫汪館 横浜講習会3 大石神影流剣術(試合口・陽之表)

建国記念の日、貫汪館横浜支部で貫汪館横浜講習会を開催いたしました。

7人の方から申込をいただきましたが、インフルエンザとケガのためお二人が欠席、名古屋西支部長と横浜支部会員等を合わせて8人での講習会となりました。

 

つい先日の大雪はいまだ融けずに残る中、陽射しも弱く、とても冷たい空気でした。リラックスして深い呼吸ができれば肚から暖かくなってくるとはいえ、体育館の床は冷たく、足元から冷えが伝わってきます。

 

講習は午前のみで、大石神影流剣術の構え、素振り、試合口五本、陽之表十本、さらに陽之裏十本のうち最初の三本までを稽古いたしました。
構えと素振り、試合口と陽之表十本のうち五本までは前回までの復習です。
今回の参加者は、前回までの参加者とほぼ同じ方々ということもあって、
陽之表十本のうち後半五本についても大変スムーズに稽古が進みました。
皆さん、大石神影流剣術の動きに慣れてきたということかと思います。
館長の判断により、陽之裏も最初の三本までを稽古することができました。

 

今回も御蔭様で多数の方にご参加いただき、盛況のうちに無事に講習会を終えることができました。この場をお借りして、御礼を申し上げます。
次回講習会の日程は未定ですが、決まり次第、当ホームページでご案内いたします。
また多数の皆さまのお申込・ご参加をお待ちしております。
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自宅で着替えを済ませ、8時前に家を出ます。
車道や歩道の雪はすっかり溶けてなくなっていましたが、人も車も通らない場所にはまだ大量の雪が山になって残っています。道路が白っぽいのは、車のチェーンがアスファルトの表面を削ったせいでしょうか。
大石神影流の木刀12本をかつぎ、貸出用の道衣と袴などを入れたキャリーバッグは美人秘書に持ってもらいました。


体育館に到着するとデンさんはすでに来ていました。準備の手伝いのためです。
モップ掛けなどをお願いして体育館を出ると、館長から電話がありました。
駅からのバスは学生が行列で乗れそうにないので、学校まで歩くと。
クラブの試合などがあるのでしょう。タクシー代をお出しできないのが心苦しい。
少し時間ができましたので、木刀の準備を。

袋から出して、鍔をはめて、並べて、というだけでも、12本もあるとそれなりに時間と手間がかかるものです。

 

体育館を出て、自宅の前で館長と合流します。
家で着替えていただき、すぐにまた体育館へ。

 

すでに何人かお越しで、あれこれしているうちにもまた一人二人と。
ご挨拶をして、道衣と帯と袴をお貸しして着付けの手伝いなど。
お一人、帯を上手に結べる方がいらして助かりました。
芳名帳に筆ペンで記名をしていただき、参加費をお預かりします。

 

今回びっくりしたのは、やはり劇団の方でした。
前回は午前中のみ参加の方が今回もいらしてくださいましたが、
今回はケガで見学しますと。なぁんとゆーことでしょー(劇的前後)
見学のために、わざわざお越しになるなんて。
この熱心さは見習わなければなりません。
前回は午前中のみの参加でお話をする時間がありませんでしたので、
もしかしたらつまらなかったのではなかろうかなどと心配していましたが、とっても楽しかったとのこと。よかったです。
じっと座っていたら寒いだろうと思い、家からお持ちした小さなストーブをすぐ近くに置きましたが、見るからに寒そうでした。
風邪などお召しになっていなければいいのですが。

 

皆さんに大石神影流の木刀をお渡しします。
9時となって、講習会の開始です。
今回は午前のみ。大石神影流剣術の稽古です。
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大石神影流剣術

 

構え
真剣、上段、附け、下段、脇中段、脇上段、車
講習会参加は二回目、三回目の方が多く、皆さんサマになっていらっしゃいます。
ですがなにげに難しいのは、附けの構えでしょうか。
半身となって腰を落とし、刃を斜めにして切っ先を相手に向けます。
刀を胸の前に構え、左手は柄頭を包み込むように。
すぱっと納まっていると、見るからに何も言うことがありません。
ですがだいたい、なんか違います。何が違うのでしょうか。
あちらを直し、こちらを直し。なかなかキマリません。


お一人お一人、姿勢や体格は違います。
定規を当てたようにきっちりこう、というようにはできません。
全体のバランスということになるのでしょうか。
様式美とも違うのでしょうが、見るからにわかる美しさというのはあると思います。
バランスの取れたポーズというのは、誰にでもわかるものです。
ただじっと安定しているのとは違い、動的なバランスというか。
あるいは合理的な機能美というものかもしれません。
スキがなく、動きが自在で、無理無駄がない。
よくよく感じれば、ご本人にもわかるのではないかと思います。
附けに限らず、どの構えも同じかと。下段も地味に難しいです。もちろん真剣も。

 

素振り
真剣から上段になり、また下ろします。
息を吸って振りかぶり、吐いて下ろす。肚までの深い呼吸です。
緊張してうわずっていると、胸までしか息が入りません。
それでは良い動きはできない。
リラックスして弛んでいれば、呼吸は自然と肚まで落ちます。
ゆったり、どっしりと。
ゆっくりとした動きですが、十回も繰り返していると体が中からぽかぽかと。

気のせいでしょうか。でもヨガや気功でも同じようなことを聞きます。

自律神経のバランスとか。
でもやっぱり足の裏は冷たいのです。

 

今回も館長による指導のお手伝い。
ですが、構えと素振りはほとんどなにも言うことがありませんでした。
皆さん、館長の言葉に集中して耳を傾けていらっしゃいます。
その邪魔をしないようにしました。

 

手数
二人一組となっていただきます。ここでまたびっくり。
劇団の方はまた劇団の方同士組んでいただこうかと思っていました。
気心の知れた者同士の方が、稽古をしやすいと思ってのことです。
ですが、今度は違う方と稽古をしてみたいと。
それもそうですね。全然びっくりじゃない。
それでもやっぱり基本的に男性同士、女性同士、身長体格が同じくらいの方同士で組んでいただきました。
あまりに身長差や体格差があると、さすがに稽古しにくいかと思います。
どちらか一方だけでも上手なら別でしょうが、それでもやはり。

 

前回も参加の柔道合気道剣道その他諸々の有段者の方は、前回は

柳生新陰流とジークンドーの経験者の方と組んでいただきました。
お二人とも黙々と稽古をされて、はためにもなかなかの迫力でした。
ですがそのお相手の方は今回はインフルエンザで欠席。
今回は女性とペアです。はたして大丈夫でしょうか。。。

 

また今回の参加者は7人と奇数だったため、急きょ我が家の美人秘書も参加することに。
前回も参加の劇団の女性と組んでもらいました。美人合気道家同士です。
さてさて、どうなることか。

 

私はペアにはならず、館長の指導のお手伝いに回りました。
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試合口
一心 無明一刀 水月 須剣 一味
貫汪館門人は言わずもがな、皆さんなかなかサマになっています。
一般参加の方々も、二回目三回目の方ばかりです。
形の手順ができるようになると、逆にあちらこちらが目に付いてきます。
打太刀の単なる打ち込みですら、スムーズに重心を移動して、腕の力を使わず、肚を中心に、などといくらでも要求は高くなります。

 

試合口では、仕太刀は主に打太刀の顔を突きます。
顔のどこを突くのですかと聞かれて、顔の中心ですとお答えしました。
鼻ですかと聞かれて、まあそうですねと。
顔の中心は顔の中心であって、鼻ではないよなあ、などと思いながら。
顔の中心が鼻なのだとして、鼻を突くのであれば、鼻のどこを突くのでしょうか。でもって、鼻の中心ってどこだ。

きりがありません。

それにやっぱり、鼻を突く。って変な感じがします。私には。

武道の稽古は見て取ることが大事かと思います。
便宜上、言葉で説明することもありますが、言葉にとらわれるとハマリます。
説明された言葉をそのまま受け取って、解釈は自分の中で行うべきかと。
わかりにくいからと自分の分かりやすい言葉に置き換えてしまっては、
正しく受け取ることはできません。
わからないものはわからないまま受け取り、わかるようになるまで稽古する。
それが修業かと思います。

指し示すその指ではなく、指の先にある月を見なければ。

 

試合口五本を順番に稽古して、最後に各組で五本を通してもらいました。
右面、左面、上段、突き、受け流し。
覚えやすいかとは思います。皆さん苦労しながらもなんとか。
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陽之表
よう剱 げっ剱 無二剱 二生 稲妻 太陽剱 正當剱 無意剱 乗身 千鳥 
前半五本は、前回の講習会で稽古いたしました。やはり初めてとは違います。
前回不参加のため今回が初めての方もいましたが、お相手が経験者です。
やはり初めて同士とは違います。
とくに問題なく稽古することができたかと思います。
一度見て、稽古したことがあれば、心にも余裕ができるというものです。
より細かな部分にも気を配ることができるはず。
車に構えて低い腰のまま前後にすっと移動するのは、何気に難しいものです。
下段で気攻め、三段打ち。いずれも単純で、難しいものです。

 

後半五本は皆さん初めてです。
とてもシンプルな形もあれば、手順の多い形もあります。
立っての攻防だったものが、突然、膝を着いたり。
陽之表は、とても複雑です。
それでも皆さん、とっても楽しそう。
手こずるのではないかと思われた形も、とくに問題なく稽古できました。

 

館長の判断で、陽之裏も稽古することに。
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陽之裏
勢龍 左沈 十文字
一本目は、陽之表に出てきた動作の組み合わせとも言えます。
二本目は、一本目の変化です。やはり新しい動作はありません。
それでも、陽之表とはやはり違います。雰囲気が違うとでもいうのでしょうか。
皆さん戸惑いながらの稽古です。
それで合ってますとお伝えしますが、安心する方と不安なままの方と。
回数を繰り返せば、納得できるのかもしれません。
三本目もとてもシンプルな形です。試合口の一本目ととてもよく似ています。
ただ突く場所が少し違います。
簡単にできるかと思いきや、その少しの違いがなかなかできず。
心も体もなかなか自分の思い通りにはならないものです。稽古あるのみ。

 

館長が、最後に一本、皆さんの好きな業をやってくださいと。
さてさてなにをやるのかと思いきや、4組中3組は陽之表の無意剱。
手順がとっても多くて、でもかっこいいやつです。
いかにも剣術っぽい。最後に二歩、詰めるところも。
やることにしたのはいいけれど、皆さんそれほど覚えているわけでもなく。
お二人で、ああでもないこうでもないと言いながら。
とても楽しそうでした。

 

ちなみに1組は、試合口の五本目をやっていました。
シンプルな手数です。かっこいいと言えばかっこいいけれど。
それでいいのか、デンさんっ。
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12時を少し過ぎて、講習会は無事に終了となりました。
あっという間の3時間でした。
心配だった武道家と女性の組も、とくに問題なく稽古ができていました。
力任せにならず、逆に良かったのかもしれません。
美人合気道家同士の組も、上手に稽古されていました。
もちろん名古屋西支部長の組も、デンさんの組も。

 

皆さんにモップ掛けをしていただいて、木刀などの片付け。
皆さんを見送って、体育館をあとにします。

 

館長と家で着替え。
名古屋西支部長とデンさんには、大石神影流の木刀12本を館長の実家あて配達の手続きを依頼しました。大変助かります。
駅前のジョナサンで合流して、4人で食事。しばらくあれこれと話。
名古屋西支部長は新幹線で名古屋へ。デンさんは帰宅。
館長と家に戻り、入浴していただいてしばらくのんびり。
夕方、雪合戦から帰ってきた我が家の男子と入れ替わりに、館長と家を出ます。

重いキャリーバッグをお持ちして、駅までお見送り。

 

帰宅して、お風呂に入ってやっとひと段落。ふーやれやれ。

 

来週はまた通常通りの稽古です。

でもなんだかまた、大雪の予報が。暴風雪という単語もちらほらと。。。

大流行中のインフルエンザも心配です。

H26.2.13