貫汪館 横浜支部稽古

れりごーれりごーと口ずさみながら、道衣に着替えます。襦袢の下はシャツなし。

いつも稽古の時間配分に頭を悩ませています。

大石神影流1時間、太刀打詰合45分、大森流1時間で2時間45分。うーん。。。

やっぱり6時には稽古を始めたいなあ、なんて思いながら早めに家を出たりして。

居合刀、大石神影流の鞘木刀、定寸の鞘木刀、小太刀、半棒、六尺棒のセット

 

少し早めに体育館に到着すると、前の団体さんがちょうど終わって戸締りをしているところでした。

ご挨拶して了承を得て、早めに中に入ります。早く入れてよかった。

モップ掛けをしようとすると、デンさんがいらっしゃいました。お早い到着です。

言わなくても通じたのでしょうか。以心伝心。美しき師弟関係ですね。うふ

一緒にモップを掛けて、あれこれとお話をしながら着替えをお待ちします。

 

6時を少し過ぎて、稽古開始

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棒廻し

 

棒を廻しましょう、と声を掛けて六尺棒を渡します。はじめの礼もなし。

目が回ったらすぐに言ってくださいねと最初に言います。

前回、あまり上手く練習できませんでした。どうしたものかと考えて、方法を二つ。

同じ方を向いて、半棒を廻します。くるくるくる。体の転換はせず。

下から上に跳ね上げる。中心を持って、両手の虎口を向かい合わせて。

下から迎えて持ち替えて、中心の手を持ち替えて。くるくるくる。

 

しばらく繰り返してから、左右を入れ替えます。まあとりあえず適当に。

でもって反対の方を向いて、くるくるくる。

右手左手と覚えると、左右が変わったときに混乱します。頭は使わず体で覚える。

ちょっと賢いと書いて、小賢しい(こざかしい)と読みます。大賢がいいですね。

小賢は山陰に遁し 大賢は市井に遁す

小賢は大賢の如し 大賢は大愚の如し

ちょっと違うか。

 

繰り返していると手がこんがらがって頭が混乱してきますが、だいぶスムーズに。

少し目が回ってきましたとのことで、いったんここまで。

左右の転換はせずとりあえずくるくると廻すのが、考えた稽古法の一つめです。

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大石神影流

 

試合口、陽之表、陽之裏

いつもどおり、仕太刀を通してもらって、それから打太刀をしてもらいます。

手順がわからなくなるのはいつも同じようなところ。

繰り返していれば覚えると言っても、手順を思い出して終わりでは稽古にならず。

そろそろ覚えてほしいなあ、なんて思ったりもします。

 

三學圓之太刀

今回もお休み。

 

小太刀、二刀

今回はやりませんでした。小太刀は持ってきていましたが。

時間の関係もあります。今日は他にもやりたいことがあり。

 

棒合、鑓合

前回はすっかり忘れていましたが、今回はやりました。

実はデンさんに言われて思い出したのですが。

六尺棒は渋川一流柔術ですが、大石神影流には棒はないのですかと聞かれ。

棒合は三本、鑓合は二本だけですが、とてもおもしろい。稽古の価値があります。

 

棒合は、棒で剱に勝ちます。

鑓合は、剱で鑓に勝ちます。

長刀合は、長刀で剱に勝ちます。

鑓だけ剱に勝たないのは、なんだか不思議な気がします。

鑓が剱に勝つのは当たり前だから、わざわざ稽古する必要はないということか。

それとも単に、剱術の稽古だからということなのでしょうか。

でもその理屈だと、剱では棒や長刀には勝てないということになってしまいます。

うーん。

たしかに個人的には、剱で長刀の達者に勝つのは至難の業かとは思いますが。

でもそれは、どれでも同じことですよね。

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棒廻し

 

本日、二回目です。

今度は、左右の体の転換をしながら、片手で廻してもらいます。

常に両手で廻しているように見えますが、実際は片手から片手へのバトンタッチ。

右から左へ、左から右へ。反対の手は補助的な役目だけ。

見かけに惑わされずに実体を理解してもらえれば、稽古がしやすいかと。

これが考えた稽古方法の二つめです。

 

転換のときに回転が斜めになったりはしますが、だいぶお上手になりました。

やっぱり二回目なだけはあります。同じ日の稽古ではありますが。

脳にはバックグラウンド機能がある気がします。

常に頭の中で情報処理をしてくれる。

もちろん、求める心さえあれば、という条件付きですが。寝ても覚めても。

少し時間を置けば勝手に整理してくれる。だから一回目より二回目の方が上手。

そんな気がします。

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半棒

 

今回は半棒も。自分が稽古したいだけだろう、というのはここだけの秘密です。

でもそのためには、デンさんにはよほど稽古していただかないといけません。

やること盛りだくさんですね。

 

立合

とりあえず一本目だけ。

打太刀をしてもらって、実際にやって見せます。

打太刀は肩から真っ向、引いて請ける。

打太刀はまだ慣れていませんから、ゆっくり軽く。

打たせてすっと避けて、カンと落としてエイと真っ向。

シンプルでいいですよね。けっこうお気に入りです。右に立てて始めるのがイイ。

ただ、激しく打ち合うので半棒の表面がぼこぼこになってしまってちょっと悲しい。

 

交代して、何度か繰り返します。

でもって、実際にはこのくらいのスピードです。と独りでやってみせました。

カ・カン、エー。1~2秒くらいでしょうか。

はやく普通に稽古できるようになるといいですね。楽しみにしています。

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太刀打・詰合

 

大石神影流の試合口、陽之表、陽之裏、棒合、鑓合。渋川一流柔術の棒廻し、半棒と稽古して、やっと太刀打詰合みたいな。

間違えたり動けなくなるのはいつも同じところ。そろそろ覚えてほしいかな。

 

上段と八相ではなくて、高山と肩。

正対して刀を頭上に垂直に立てるのではなく。正対して刀を肩に置くのではなく。

自然と半身に。斬るための刀の位置。そのまま斬る。

位置はどこで、角度は何度、高さはどのくらい、えとせとらえとせとら

外から決められることではなく、自分の体に聞くことかと思います。身の曲尺

八相は、英信流では構えの名称ではありません。左右に払う動作のこと。八の字

 

太刀打の打込で右手親指を打たれました。かなり痛かったです。不覚

こちらは説明のつもりで動いても、上手く意図が伝わっていないと間が合わなくてこういうことが起きたりします。

でも私も以前同じことをしましたので、おあいこですねと笑っておわり。

本当だったら、指がなくなってホントに終わりでしたが。柄口六寸

必ずしも早い方が勝つとは限らないんですよ。なんて説明したりしました。

 

詰合で遣方をしていると、なかなか抜きつけてくれないので眠くなってしまいます。

なぜ柄に手を掛けてからのんびり抜こうとするのか。そんなことは許されない。

相手は目の前にいます。柄に手を掛けたら、黙って見ているわけがありません。

居合の稽古ですから下で抜き合わせますが、それも抜きつけが早いからのこと。

のんびりと抜き出しているようなら、さっと手を取って引き倒してしまいたい。

あるいは渋川一流の抜刀術のように、抜き手を押さえて柄当てしたり。

それとも単純にこちらから抜きつけてしまっても勝ててしまいそうです。

 

下での抜き合わせは、また肘が伸びきる癖が顔を出しました。

行ったり来たり。思いが変わらねば、というやつですね。

 

八重垣は形では斬る方向も回数も決まっています。

でもスキがなければ何度でも繰り返すでしょう。逆にすぐ勝ってもいいでしょう。

もちろん左右逆を斬ってくることもあるかと思います。

反射神経と読みを競い合うじゃんけんのようで、実はあまりすきではありません。

その点、鱗形はいいですね。相手に追撃を許さない。詰め将棋的な勝ち方です。

相手を型にはめて勝つ。できれば理想的です。

 

打込では、切っ先が合うことはありませんでしたが、刃筋はきれいにまっすぐ。

刀と刀を打ち合わせて跳ね返って戻ってでジグザグになったりはしませんでした。

刃筋が左右にぶれるのを、稲妻斬り、なんて言って笑ったりします。

名前はかっこいいのですけれどもね。

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棒廻し

 

さてさて、本日三回目。

反対の手も添えて廻します。もちろん体も左右に転換。

しばらく繰り返していると、だいぶ上手になりました。

これなら、広島に行っても大丈夫。あとは自分で稽古するかどうか。

 

六尺棒は一寸径です。なかなか迫力があります。ぶんぶんぶんぶん

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大森流

 

初発刀

一度抜いて見せて、抜いていただきます。

 

抜きつけで切っ先から気が抜けるのは、やはり刀が長いからでしょうか。

切っ先まで神経が十分に届いていないように見受けられます。

運剣も、ただ振り回しているよう。切っ先で後方を突き込む意識が見えません。

斬撃にだけ気を配ればよいというものでなし。常に切っ先まで意識がなければ。

 

血振るいで刀を右肩後ろに吊り下げるとき、どうしても力が抜けきれません。

前から見て、切っ先が斜めに出ているのがその証拠。

完全に力が抜けていれば、重力の線に沿って垂直に垂れ下がるはずです。

そうならないのは、無駄に握り込んでいるからに他なりません。

あるいは肩肘手首の位置が悪く、無意味にロックされているのかもしれません。

そうであれば、肩肘手首に無駄な力が入っているということでしょう。

右後ろに吊り下げたとき、肘は閉じて前方を向かねばなりません。

 

立ち上がるときに前傾するのはやはり力み息みなのでしょう。まっすぐすっと。

足を寄せるとき緊張が見えるのは、一か所に集まる、という言葉にとらわれて、

ぎゅっと力で固めているのかもしれません。

刀に導かれるように、前方に自然に移動すればよいはずです。歩法と同じ。

後ろ足は寄りますが、前傾したり、お尻が浮いたりはしません。

足はブランコのように自然に前に振り出され、自然に後ろに振り出されます。

 

納刀も握り込まず。柄は虎口に自然に乗って、刀の重さで自然に納まります。

肩肘手首は沈んだまま。

 

抜いて斬って納める。のではなくて、抜けて斬れて納まる。という感じでしょうか。

言うだけなら簡単なのですが。

 

陽進陰退刀

元々は二本の業の組み合わせです。なんて言ったら驚いていらっしゃいました。あれ?

常識かと思っていました。陽進刀と陰進刀

陽進刀は立って斬ったり座って斬ったり。なぜ大森流の血振るいではないのか。

抜き付けと張り受け。などなど。そんな話がしたかったりします。

 

流刀

足を寄せて斬り、足を引いて血拭い納刀。

最後は正面を向いて終わるように調整するのは、演武や稽古の都合でしょう。

斜めを向いて終わると少し違和感があります。

正面を向いて終わるように、足を引く位置を考えなければなりません。

業の本質ではまったくありませんが。

 

順刀

介錯として稽古していますが、元は果たして。

英信流の介錯口伝とはだいぶ異なります。英信流ではなくて大森流ですが。

順刀は順刀です。

 

逆刀

立ち上がりながら刀を抜き出し、頭上に振りかぶって左手を添えて斬撃。

ではなく。

左足を引きながら鞘を払い、低い位置で左手を柄に添えて左から振りかぶり、頭上を通過して斬撃。

ぱっぱと直線的な動きではありません。スムーズな回転動作。

なかなか難しいようです。思いが変わらねば。

きっと、もっと何度も正しい動作をお見せするべきなのでしょう。

 

勢中刀

また座って斬撃。うーん。

勢中刀は九本目。ほぼ立ち業と言っても過言ではなし。座る理由はありません。

もちろん、斬られた相手がうずくまったから、という想定はあるかもしれません。

 

立ったまま大森流の血振るい。これも少し不思議な感じがします。

流刀順刀逆刀と血拭いに変わって、また戻る。

初発刀から陰退刀までの血振るいは、立ち上がるための形とも言えます。

勢中刀はすでに立っていますから、この形にする必要もないような気もします。

次の虎乱刀との関係でしょうか。

 

虎乱刀

歩み行く内に抜きつけて斬撃。横に開いて納刀。

立ち業です。ここではもう大森流の血振るいにこだわりません。

勢中刀はその前段階で、立ったまま大森流の血振るいをするのかもしれません。

別に勢中刀で横に開いても、本質には関係ないと思います。稽古の方便でしょう。

 

抜打

鯉口から離れた切っ先が、最短距離で左後ろに突き込まれるとよいのですが。

早ければ引っかかって抜けないですし、遅ければ切っ先が遊びます。

鞘を割ったり、自分で自分の左手を突いてしまうこともあるかもしれません。

柄手掛かりから一連の動きでスムーズに斬撃ができると理想的です。早く強い。

お気に入りの業です。

 

抜打では、むすんでひらいての歌詞が頭に浮かびます。とくに4番の歌詞

http://ja.wikipedia.org/wiki/むすんでひらいて

作曲者がジャン=ジャック・ルソーとは知りませんでした。社会契約論

http://ja.wikipedia.org/wiki/ジャン=ジャック・ルソー

常識と思えるようなことでも、あらためて調べてみるといろいろな発見があります。

小さなときに覚えたことは、とくになんの疑問もなくそのままです。

でも、大きくなっても好奇心を忘れずにいられれば面白い発見があるかもしれません。

初心の頃、言われるまま訳も分からず覚えたことも、見返してみるといろいろとあったりして。

手順を習い覚え、形を教わり。

そして、その次の段階の稽古の楽しみ方の一つかと思います。

 

週に一回、稽古に来て、動作を思い出して終わりでは果たして。

三歩進んで二歩戻るなら、まだ一歩進むことができます。

でも一歩進んで一歩戻るのでは、同じ場所で足踏みをしているのと同じことです。

自分で稽古をしていれば、どんどん先に進むことができます。どんどん深くへ。

稽古の場をどのようにとらえるかは、その人次第でしょう。

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9時少し前に稽古終了。急いで片付けて体育館をあとにします。

3時間弱、いつもどおり密度の濃い稽古でした。

 

来週もまた通常通りの稽古です。

9月の昇段審査に向けて、大森流を集中的に稽古しようか。

5月になったし、そろそろ横雲も稽古しようか。

それとも半棒を何本か稽古しようか。

なんにしろ、楽しみです。

H26.5.16