貫汪館 横浜支部稽古

居合刀、大石神影流の鞘木刀、定寸の鞘木刀、小太刀、六尺棒、半棒を持って体育館へ。

デンさん、前回より少し遅くいらっしゃいましたがそれでもかなり早いお越しです。

前回同様、6時過ぎに稽古開始。

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棒廻し

 

前回同様、いきなり廻してもらいます。

一週間開いて、ずいぶんこなれた感じになりました。

六尺棒はお持ちではないはずなので、家では稽古はしていないはず。

間を開けることで上達する場合もあります。きっと頭の中が整理されるのでしょう。

初めてではないので、精神的に余裕があるというのも大きいかもしれません。

0と1の差は1、1と2の差も1、2と3の差も1です。どれも差は1です。

でも、0と1の間には、“無”と“有”というとても大きな差があります。

 

今回は追加で、

・手で廻すのではなく、体を転換する力で廻す。

・腰を落として歩幅を広くする。

・足を蹴って出すのではなく、体の転換で進める。

・棒の中心を虎口の一点で軽く支える。握らない。

などなどをお伝えしました。

 

まだ左右の回転が乱れていますが、稽古を続けていれば整うかと思います。

棒廻しは歩法の稽古になると同時に、握らずに軽く支える持ち方の稽古にもなります。

居合の抜き付け、斬撃、血振るい、納刀にも、きっと良い効果があることでしょう。

今回は、稽古は一回だけにしました。

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大石神影流

 

試合口、陽之表、陽之裏

いつもどおり、仕太刀を通してもらって、そのあとに打太刀をしてもらいます。

やっぱり打太刀はまだよくわからないとのこと。

仕太刀だけの稽古にすれば、もう少し覚えやすいのかもしれません。

でもそうすると、実際の仕太刀の動きがわかりにくい。ジレンマです。

また一本ずつなら覚えやすいのでしょうが、一気に十本二十本と稽古しています。

それも覚えるのが大変な理由の一つでしょう。

 

転校生が来ても、受け入れる側は一人の顔と名前を覚えるだけで足ります。

でも転校生は、クラスの皆の顔と名前を一気に覚えなければなりません。

覚えるのが大変なんて言っていたら、仲よくしてもらえないかもしれません。

がんばって覚えなければ。どうやって覚えるかは、その人次第です。

記憶力が良い人もいれば、そうでない人もいる。

でも苦手だからとなんの努力もしないようでは。名簿を作って、暗記をして。

自助努力が大事です。

 

三學圓之太刀

そうは言ってもあまり多いと頭がパンクしそうで。

今回も稽古は見送りました。

 

二刀、小太刀

と言いながら、ちょっと違う稽古は気分転換になりますし。

こちらの方が覚えは良かったりして。

けっきょくは、好みの問題、やる気の問題かと思います。

誰でも、おもしろくて興味のあることはすぐに覚えるものです。

 

二刀を持って構えていただくと、なんだか別の流派のようです。以前の稽古が顔を出します。

同じ二刀で同じような業だったとしても、やはり流派によって違うものです。

立ち方、構え方、遣い方。それが流派です。業の手順ではない。

流派の掟が身に付いていれば、違う流派の形をなぞっても自流のようになってしまう。

それが流派というものかと思います。

形の手順を覚えてなぞれば、それが流派ということではないでしょう。

 

棒合、鑓合

今回はあんまりでした。まるで、稽古したことがないかのようなぎこちなさ。

前回あんなに上手にやっていたのに。不思議です。

棒合三本、鑓合二本。いずれも手順はとてもシンプルです。逆に誤魔化しは利きません。

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半棒

 

立会

今回も一本だけ。とりあえず復習というところでしょうか。

あまりよく覚えていらっしゃらないようでした。

本当は何本か稽古しようかと思っていたのですが、今回はちょっと無理でした。

また次回以降。

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太刀打

 

出合・附入

下での抜き合わせは肘が伸び切り、溜めてからの抜きつけ、力み。居着き。

居合ではよく目付け、抜き付け、斬り付け、着付けの四付けなどとと言いますが、

居付きはダメですよね。力んで体を固めると、変化対応ができません。

 

請流・請入

今回、時間を掛けて稽古しました。

請流はどうしても、最後の突き込みから払われて打ち込みを一歩でできない。

右足で突き込んで払われ、左足を踏み込んで真っ向。まあそれもありですが。

請入はどうしても、間に合わない。横殴りになる。握り込むとできません。

手で振らず、体が替わるだけ。

まずは頭で理解できないと。そこが難しいですね。

 

月影・水月刀

月影は下段に似ていますが下段ではなく。独妙剣のような打ち合わせではなく。

水月刀は詰合の水月に似ていますがより稽古しやすいかと思います。間と間合い

 

独妙剣・絶妙剣・心妙剣

下段、上段、納刀。いずれも力任せにならないよう。腕ではなく体で。肚

 

打込  

払おうとすると上手くできません。こちらから請ける。

結果として、相手の剣が外れる。パワーやスピードで払っては稽古になりません。

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詰合

発早 拳取 岩浪 八重垣 鱗形 位弛 燕返 眼関落 水月 霞剣  

 

太刀打とは違い、一連の流れで稽古ができます。

いちいち力んでぶつ切りにならないように。柄に手を掛けたらもう止まらない。

打太刀をしてもらうと、いちいち止まるので、間がおかしくなります。

攻守の逆転も起きてしまいそう。

打太刀ができないと、本当の意味で仕太刀ができるようにならないかと思います。

仕太刀と打太刀は二つで一つ。セットです。

打込の説明では、何度も切っ先がぶつかりました。まっすぐ斬る。

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大森流

 

初発刀

抜いて見せて、抜いてもらいます。

最近は普通のスピードで抜いて見せていましたが、今回はゆっくりていねいに。

その効果があってか、いい感じで抜いていらっしゃいました。

やはり目から入る情報は、影響が大きいですね。

あれこれと説明するよりも、何度もお見せした方がよいのでしょう。

ただ見慣れてしまって、情報をスルーするようになってしまうようでは困ります。

  

前半で時間を費やしましたので、大森流は今回は初発刀だけ。

沈む力の反作用で左手が持ち上がり、鞘ごと刀を抱え上げ、

上体は転がって前掛かり、右手が滑り出すように柄に掛かり、

前後に分け開く力で鞘が引かれる。

そのままだと倒れてしまうので、尾てい骨の回転で上体が起き上がり、

入れ替わるように右足が踏み出される。

体は浮いているので、ドンと踏みつけるようなことはありません。

きちんとできていれば、不思議なくらい静かに足が床に着きます。

前掛かることばかりを意識してしまうと、抜き付けがつんのめったものに。

こちらから抜きかけるのではなく、相手から向かってくるところへの反撃です。

こちらから踏み出す必要はありません。その場で十分。足は単なる支え。

抜き付けは切っ先まで意識を。抜いてからではなく、鞘の中にあるうちから。

体を開いて終わり。手先で斬ろうとしない。よけいなことです。

血振るいは右肩後ろに吊り下げる。

まっすぐ立ち上がる。

刀に導かれるように足を寄せ、静かに引いて、沈むことで上体を起こす。

振った刃筋を戻すように切っ先を肩に運び、右上方へ分け開く。

手首肘肩は沈んだまま。虎口は柄の下に入る。刀の重さで納める。

静かに膝を着き、まっすぐ立ち上がる。

30分ほど初発刀を繰り返しました。

 

お伝えするのは毎回同じことです。

頭が理解して、心で納得して、体で再現する。

理解したつもり、納得したつもり、できたつもり。それではダメで。

脳内と現実のギャップをどのくらい少なくできるか。それが大事かと思います。

自分が何をしているかわからない、無意識、無自覚。それでは直しようがない。

まずは正しく自分を理解すること、自覚することです。

ビデオを撮ったり、鏡を見たりも方法の一つかも知れません。ただ、外形は外形。

中へ中へと、深く内省することが大事でしょう。

 

頭と心と体が一致したとき、すべては上手く行くのかと思います。業もその他も。

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9時前に終了。途中、小休止をはさみながら約3時間の稽古でした。

来週も通常通りの稽古です。

H26.5.19