観て取る力

今週は、男の子とお母さんがお休み。

男の子のお父さん、女の子、女の子のお父さんの三人と稽古です。

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澁川一流柔術

 

棒廻し

一度だけ、どんがらがっしゃーんと棒を落とす音。めずらしい。

皆さん、ほとんど落としません。

私なんぞは、最初の内は落としまくりでした。

体育館では派手な音が響き渡り、部屋では障子を突き破り。

失敗は、決して恥ずかしいことではありません。

ときには失敗も良い経験になります。

でもそのためには、どうして失敗したかをきちんと分析して、

同じ轍を踏まないよう。反省と工夫が大事です。

できるだけ腰は落としましょう。突っ立ちは厳禁です。

 

半棒表

立会、指棒、引棒、右流、棒拂、大拂、腰車、提棒、笠拂

打太刀で元に立って、掛かり稽古方式。九本を一気に通します。

最初の六本は問題なし。続く三本も問題なし。

でもその六本と三本の間で、少し躊躇したりして。

いつも最初の六本と新しい三本をそれぞれセットにしていたからですね。

それを続けてやると、あれ?

そんなものですね。普段していないことは、咄嗟にはできない。

臨機応変とは言いながら、経験も大事です。

 

指巻棒、左流、千拂

今日はお休みの人がいたので少し悩みましたが、新しい形を一気に三本。

これで半棒表十二本すべてです。

お父さんに打太刀に立ってもらって、示範を何回か。

さー、どうぞ。

むむむっ、なんだか皆の反応が悪い。

一番弟子がいないからか。

 

一番弟子は、小学校一年生。就学前からの稽古です。

稽古はいつも先頭で。できない、わからないとは言わせません。

できなくても、わからなくても、とりあえず動く。

違ったら直します。でも、止まっていたらやられてしまう。

とりあえず動くのは、大事なことかと思います。

今回は、そのお手本がなし。

いつも二番手、三番手だと、油断があるのかもしれませんね。

とくに最後尾だと、何回も見ていられるのでちょっとずるいかも?

1番子、間っ子、末っ子、一人っ子。

最近は、そんな性格診断もあるようです。

たしかになるほど、と思ったりもして。

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大石神影流剱術

 

構え素振り

構えはいつも同じこと。

でも、皆さんの上達の度合いがとてもよくわかります。

ちょっと固いなと思っても、指摘するとすぐに力が抜けます。

動きもそのまま。いい感じです。

 

素振りは、基本はその場で。

でもときおり、進退しながら、附けから、上段から、連続で。

いろいろできます。

素振りを組み合わせたのが手数?

いやいや、手数に出てくる動作を取り出したのが素振り?

ニワトリとタマゴでしょうか。

あるいは、現代的な発想と古典的な発想の違いかもしれません。

 

陽之表

よう剣、げっ剣、無二剣、二生、稲妻、太陽剣

同じく掛かり稽古方式で、一気に六本。

うん、問題なし。こちらはよく通しで稽古していますからね。

 

正當剣

さてさて、剣術も新しい手数を。

いきなり打太刀をやってもらって、それをさばいてえいっと。

ああそう言えば。

打太刀の動きを素振りで稽古してもらおうと思っていて、

すっかり忘れていました。たはっ。

→でもさすがはお父さん、動じずに応じてくれました。

横浜支部長の無茶振りにも慣れたものです。

 

さてさてこちらも皆さんの反応はいまいちで。

一番弟子の偉大さがわかる一場面でした。

 

続く無意剣は、ちょっと込み入った手数です。

今回は稽古を見送りました。

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無双神伝英信流抜刀兵法

 

大森流

初発刀、左刀、右刀、當刀、陰陽進退、流刀

初発刀を少しばかり詳しく説明して。

左刀、右刀、當刀は、初発刀との相似点、相違点を説明。

単に向きや角度が違うだけでなし。

つきつめると、おもしろいものです。

最初の四本だけでも、いくらでも研究する部分があります。

 

陰陽進退は張り受け。

いくら“斜めに下がるんですよー”と口を酸っぱくして言っても。

ついつい、まっすぐに下がってしまいますよね。

さて、なんででしょうか。

理由や原因をお教えするのは簡単です。そしてもちろん対策も。

いつか自分が通った道ですから。

でもそれでは、稽古とは言えない。

自分と向き合って、自己の内と外をきちんと観察してほしい。

そうして、問題点を見つけ、解決策を探し、実行する。PDCA

そういう態度が大事かと思います。はい。

その場合に一つの手助けになるのは、お手本でしょう。

別に隠しているわけではなく。何度もお見せしています。

(わざともったいぶって見せないこともありますが。)

たった一度のお手本を見逃さず、分析して、自己の体に映す。

大事な稽古かと思います。

それでもどうしてもわからなければ、是非に質問を。

 

師にとわすいかに大事を教へき心をすましねんころにとへ

 

流刀

皆さん、だいぶ動けるようになりました。

でもまだ、なんだか向きがいまひとつ?

もう少し稽古しましょう。

同じように手本を見て、同じように稽古をしても。

進捗状況は人それぞれです。

まずは正しく観て取ること。そしてそれを自己の体に。

柔術、剣術、居合に限らないことかと思います。

 

血拭いで刀を振るとき、切っ先が床を引っ掻く音が。

真剣でそれをやって切っ先を飛ばすと、泣くに泣けません。

そのくらいで飛ぶような切っ先ならいらない!とはなかなか言えず。

幸い、切っ先は飛ばず(模擬刀ですし)。

切っ先が床を引っ掻いたのは、脱力ができている証拠です。

でも、中心だけはきっちりと保持を。

棒廻しと同じかもしれません。

(あ、体育館の床にも傷は付いていませんでしたから。大丈夫です。)

 

流刀は、続く順刀も稽古するとさらに理解が深まるかも。

流刀の対は、勢中刀でしょう。

でも、順刀はある意味で流刀とペアになっています。

大森流って、ホントおもしろいですよね。

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稽古後に、二尺八寸六分をお見せしました。拵えの参考に。

手持ちの二尺四寸五分、二尺六寸、二尺八寸をお貸ししています。

いろいろな刀を見るのは、勉強になるかと思います。

カタログを眺めてあれこれ考えるのも、楽しみの一つかもしれませんね。

 

来週も通常通りの稽古です。

 

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