シュール

いつもの稽古日記とは、趣旨が少し外れるかもしれませんが。

 

明治神宮奉納日本古武道大会で、おもしろかった話をいくつか。

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<重い刀のはずがない>

 

館長の居合を見た人が、そう言ったそうです。

 

 あんなに速く振れるなら、重い刀のはずがない。

 きっと軽い刀に違いない。

 

そういう意味のようです。

それをお聞きして、笑いながら

 

 素人の感想だろう。いや、逆に経験者かも。

 

なんて話をしました。

 

軽い刀の方が、振るのは難しいのですけれどもね。

それに、軽い刀を速く振るのと、重い刀を速く振るのでは、

同じように見えても、動きは自ずと異なります。

わかる人がみれば、その違いは一目瞭然でしょう。

 

私も二尺八寸六分、約1500グラムは、腕の力では振れません。

というか、振ることはできても、止められないと言うべきか。

止めようとして振っていては、とても振れるものではありません。

止めるのではなく、止まる。

止めようとして振るのではなく、止まるべくして留まる。

 

 身の曲尺の位を深く習ふべし留めねど留る事そふしぎや

 

そういうことかと思います。

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<去年より上手になっていたか>

 

夜の稽古でオーガストさんに、

 今年も明治神宮で奉納演武をしてきた。

 カジタさんが応援に来てくれた。

と話したところ、カジタさんにこう質問していました。

 

うん、なかなか鋭いことを言うなあ。さすがだなあ。

と感心しました。

でもって、返答に困っているカジタさんに代わって、

笑いながら、あいびりーぶ。と答えました。

 

奉納演武は、貴重な体験です。

日々の稽古の積み重ねはもちろん大事です。当たり前。

でも、こういった発表の場もとても大事です。

ただ漠然と稽古を続けるだけでは得られないなにかが得られます。

毎年、毎年、上達していきたいですね。

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<シュール>

 

澁川一流柔術の演武の際。

カジタさんの近くで見ていた若い女性たちが、

 

 シュールだ。。。

 

と話していたそうです。

 

 どういう意味でしょうか???

 

とカジタさんにお聞きすると、

 

 一般の柔術は、

  受けがやーっと掴みかかって行って、

  捕りがどやーっと投げる。派手。

 

 でも、澁川一流柔術(で横浜支部長が演武した四留)は、

  受けがしずしずと歩み寄って、両手をそっと取る。

  でもって、捕りが静かに動いて受けがコロンと倒れる。

  でも、やっていることはけっこうエグイ。

 そのギャップではないでしょうか?

 

とのこと。

 

 あー、なるほど。たしかにそうかも!

 

と納得したのでした。

 

館長の居合の演武が、眠くなる。と評されたこともあったようで。

 

 眠くなる居合

 

 シュールな柔術

 

おもしろいですよね。

良いなあ。。。と思いました。

 

 

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