マンツーマン稽古と見取り稽古と

年度末ですね。

師走、年末、年の瀬と聞くと、なんだかせわしない感じがします。

でも実際には、それほどでもなくて。

でも、年度末になると、実際に業務が大忙しで。

これは業種にもよるのでしょうか?

4月になると、これがまたさらに忙しくなって。

今から毎日、目を回しています。

 

桜は、東京では満開のようですが、横浜あざみ野はまだまだで。

来週末くらいが見頃かなあ、なんて思っています。

でも来週は選挙でそれどころではなし。とても残念です。。。

 

あざみ野第一小学校前にも桜は咲いていて。

満開にはほど遠い咲き心地ですが、目を楽しませてくれました。

少しほっこりした気持ちで体育館へ。

明かりをつけて、モップ掛け。

 

ほどなく、カジタさんとヒカルくんご到着。

あれ、カジタさん稽古着ですね。足のおケガは?

だいぶ良くなったので、稽古をするとのこと。

でもさすがに、居合は無理なので見学しますと。

あは。さすがですね。

足の指ですから、注意すれば立って動く分には問題ないでしょう。

逆に、蹴らないで動く良い稽古になるかもしれません。

でも、くれぐれも無理はしませんように。

 

ハセガワさん、テヅカさん、今回はお休みです。

横浜支部の皆さん、それぞれ違うお仕事で。

しかもお話を聞くと、第一級の方々ばかりです。

>さすが、アザミネーゼ。一味違う。

お仕事の都合で稽古をお休みするのは仕方がないこと。

でも、そんな忙しい日常の合間に、武道が色を添えられるのならば。

それは、とても素晴らしいことかと思います。

 

さて、稽古開始。

今週はだいぶ暖かいので、ストーブなしです。 

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<澁川一流柔術>

 

○棒廻し

 棒を廻すことよりも、体の方に気を配りましょう。

 体作り、体構え。とくに下半身ですね。

 

 下半身と言うと、足に気が行くかもしれません。大腿、小腿、足

 でも大事なのは、腰とそけい部かも。

 そけい部は、胴体と足をつなぐ部分。

 そして腰は、上半身と下半身をつなぐ部分。

 どちらも、あまり意識することのない部分かもしれません。

 でも、とても大事。だから、とても大事。

 緩めることです。結果として、沈む。なかなかできません。

 棒を廻す稽古ではなく、下半身の稽古だと思いましょう。

 

○六尺棒表八本

 向かい合って素振り、二人一組で棒合。

 お二人に一回合わせてもらって、さくっと終わり。

 

○六尺棒裏三本

 元に立って掛かり稽古方式で、打方と仕方。

 ずいぶん久しぶりな気がしますが、お二人ともお上手でした。

 うん、いいですね。これが実力というものです。

 これも一回だけ通して、さくっと終わり。

 

○半棒表十二本

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。六本ずつ。

 前半六本は、とくに問題なし。

 後半六本は? まだまだもう少し、というところですかね。

 

 カジタさん、打ち込みが日に日に良くなっていきます。

 ヒカルくん、長い棒をとても上手に遣っています。

 

 問題点を指摘して、目指すべきところをお伝えして。

 そしてご自分で解決をされる。上達する。

 見ていて、とても清々しい気分になります。

 なんだかまるで、自分がお相手を上達させたような気分にも?

 まあこれはただの錯覚なんですけれどもね。

 上達したのは、あくまで御本人の努力に依る賜物。

 上達しないのであれば、指導者の指導力不足。

 そう、思っています。

>これはもちろん、指導者としての心構え。

 指導を受ける側としては、上達するもしないも自分次第。

 と考えています。

 

○半棒裏三本

 うん、残念ながら、こちらはまだまだですね。

 最後の打ち込みを突きに変えるだけ。とは言え。

 理屈と実際の違い、というところでしょうか。

 繰り返し、繰り返し。体に教え込むしかありません。

 それが稽古というものでしょう。

 頭でわかったつもりになっても、詮無きこと。

 そんなものは、AIにでもまかせておきましょう。

 大事なのは、身体知です。

 そしてその身体知すらも。

 いずれ代替化、自動化できる時代が来るのでしょうね。

 殻の中の幽霊。無鼓動

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<大石神影流剣術>

 

○構え素振り

 最初から稽古して、ずっと稽古していて。

 簡単なようで、難しい。

 注意されないでいると、自分のやりやすいようになってしまい。

 それが合理化、最適化であれば良いのですが。

 どうしても、単に易きに流れるだけになりやすい。

 ただの個人の体癖ですね。

 

 それが良いのだ!という考えもあるのでしょう。

 でもそれは、単なる自己流、我流ですね。~~流とは言えない。

 流派の掟を身に染み付けさせる。自分をなくす。

 自分が流派になる。そのための稽古でしょう。

 個性なんて、尊重する必要なし。

 なくそうとしても、なくそうとしても出てくる。

 それが個性というものです。

 流派と上手く融合できたときは、味になるのかもしれません。

 でも、果たしてそこまで昇華できるかどうかは?

 そのためには、よほどの修業/修行が必要なことでしょう。

 

○試合口五本

 お二人で組んでもらって、打太刀と仕太刀。

 少しだけ手直し。

 

 それにしても、よくこの身長差でできるものですね。

 >自分でやらせておいて。

 でも実際、まったく違和感なし。素晴らしいことです。

 自分より大きな相手との稽古は、良い稽古になることでしょう。

 自分より小さな相手との稽古も、良い稽古になることでしょう。

 なんにしろ、選り好みをしないことです。

 

○陽之表十本

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。十本通し

 

 やる前に、手数の名前を言いながら稽古。

 それでもときおり、構えを間違えたりして。

 うん、まだまだですね。

 

 手数の名前なしで、十本通しでできるように。

 人前での演武が良い稽古になることでしょう。

 あの集中力、緊張感、真剣さ。。。

 いずれ機会があれば。

 

○陽之裏五本

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

 

 五本目夜闇はもう少しですね。

 そろそろ、先に進みたいと考えています。

 

○小太刀一二三五本目

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

 

 ヒカルくん、今回は手本なしできちんとできました。素晴らしい!

 お二人とも、ほとんど手直しなし。

 

○二刀一二三五本目

 打太刀で元に立って、掛かり稽古方式で。

 

 やはり、手本なしでできました。素晴らしい。

 でも中身はまだもう少しですね。

 小刀に気を配れば、大刀がおろそかになり。

 大刀に気を配れば、小刀がおろそかになり。

 それではダメですよね。

 片方に気を配るから、もう片方がおろそかになる。

 当たり前のことです。

 

 どちらにも気を配らず、でもどちらにも気を配る。

 矛盾。

 その矛盾をいかに成立させるか。それが大事です。

 合理的な追求で結果が得られないのだとしたら。

 それはきっと、実際には合理的ではないのでしょう。

 きっと自分が浅薄に合理的と思い込んでいるだけ。

 浅い理解。

 両手を同じように遣う。ただ、それだけのことです。

 

今回は、最初から小刀を帯びて稽古をしてもらいました。

最後に小太刀、二刀の稽古もするからです。

そして正式な演武の際には、小刀も帯びますしね。

なにをするにも、邪魔だなあ。なんて思ったかもしれません。

でも、それも工夫です。楽しみましょう。

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<無双神伝英信流抜刀兵法>

カジタさん、見取り稽古です。

立って稽古するのもありかと思ったのですが、居合刀は持参なし。

持ってくると稽古したくなるからと。

あは、さもありなん。自己防衛のために、大事な工夫ですね。

自分から自分を守る。メタな視点。武道には大事なことです。

 

○大森流十一本

 ということで、ヒカルくんと向かい合って二人でそろい抜き。

 

○英信流表十本

 同じく、向かい合って二人でそろい抜き。早抜き

 

 マンツーマンです。他の人に遠慮する必要もなし。

 がっつりと稽古ができました。

 

 普段から気になっていながら、そのままにしていた部分を注意。

 マンツーマンなので、直るまで何度でも指摘ができます。

 ある形の、ある部分。それはすぐに直る。そこだけ直せばいい。

 でも、共通した動作。これは直しにくい。

 立ち方、座り方、ちょっとした動作。

 これらは、無意識なことがほとんどだから。

 ある形では意識できても、別の形では抜けてしまう。

 そんなことが多いですね。

 すべてに共通する大事。それを基礎、基本と言うのでしょう。

 楽しくないかもしれないけれど、直すべき大事。

 これが直れば、すべてがレベルアップする。

 そういうものです。

 

 今回、マンツーマン稽古の甲斐あって、とても良くなりました。

 文章にしてしまえば、なんだそんなこと。というようなことばかり。

 でも、それが大事なのです。

 目に見えないところ、目立たないところ。

 大事は得てして、そういうところに隠れています。

 表立っては出てくれない。神と妙。

 

横から見ているだけのカジタさん、いかがだったでしょうか。

良い見取り稽古になったのであれば、良いのですが。

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定刻よりだいぶ早く、稽古終了。

前半はベテランお二人でサクサクと進み。

後半の居合の稽古もマンツーマンでした。

内容は充実していて、でも時間は短い。とても凝縮されていますね。

精神と時の部屋?

 

掛かり稽古方式は。

稽古している人は、マンツーマン稽古と言えるかもしれません。

そして、待っている人は見取り稽古ができます。

中には、

 体を動かす量が少ない。稽古時間がもったいない。退屈だ。

なんて考える人もいるかもしれません。

でも実際には、そんなことはなし。

とても良い稽古方法だと思っています。

狭い道場、全員が同時に稽古できない道場。

そんな環境にも、上手や達者はいらっしゃいますからね。

 

稽古後半から、外は激しい雨降りで。

体育館の屋根を打つ、ザーザーという雨音が聞こえるほどでした。

それぞれ自宅に電話して、傘を持ってきてもらっての帰宅となりました。

>我が家は有能な美人秘書が電話に出て、来てくれたのは息子。

 ありがとござますた。

 

来週は、選挙のため稽古なし。

再来週は、通常通りの稽古です。

 

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