附入と腰投

超大型台風10号も去って、関東では猛暑日となりました。

 

体育館にはカジタさんとコバヤシさんの姿あり。

モップ掛けと扇風機のセットはもう終わっていました。

上の窓を開けて、熱気を開放して。

セミが入ってきても、まあ気にせずに。

 

ハセガワさん、お仕事でお休み。お疲れ様です。

テヅカさん、体調不良でお休み。お大事に。

今日はカジタさん、コバヤシさんのお二人と稽古です。

 

さて、稽古開始。

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<無双神伝英信流抜刀兵法>

 

○起居、進退、斬撃

 

カジタさん

 少し動作が速いかも。勢いで動いている感じですね。

 力を抜いて動き始め、力を抜いて止まる。

 普通と逆ですね。でも、そのように。

 

コバヤシさん

 動作はゆっくり。でも、少しせわしないかも。

 動作を区切らないように。とお伝えしているせいですね。

 

 たしかに、一つ一つを区切ってはいけない。

 でも、一つ一つをおろそかにしてもいけない。

 足の裏には、きちんと全体重をあずけることです。

 体重が乗り切る前に、次の動作を始めてはいけない。

 区切らず滑らかに。でも落ち着いて。

 難しい要求です。よく稽古をしましょう。

 

○初発刀

 コバヤシさん、お一人で繰り返してもらいました。

 とてもお上手になられていて。見違えました。

 

 でも、お聞きすると。

 仕事が忙しくなって、自宅では稽古できていないとのこと。

 ならば、道場できちんと稽古をされているということですね。

 よく見て、よく聞いて、よく考える。そして、それを活かす。

 大事なことです。このまま続けましょう。

 

○大森流、英信流表

 カジタさん、お一人で通し抜きをしてもらいました。

 

 事前に、いつも抜き付けで気になる点をアドバイス。

 途中で、納刀で気になる点をアドバイス。

 抜き付けと納刀は表裏一体。どちらも大事です。

 

 切っ先の離れは、いつでも鯉口から。

 誰がどうやっても、不変/普遍の事。当たり前ですよね。

 でも、その意味がわかっているかは?

 居合の大事です。

 

○太刀打

 カジタさんと二人で、遣方と相手。

 

出合

 手順はきちんと覚えていらっしゃいました。

 でも、なんか違う? まだ身に付いていない感じ。

 よく稽古をしましょう。

 

 抜き合わせた刀と刀が、ぴたっと止まると良いですね。

 打ち込みを請けたときと同じように。

 

附入

 さて、続いて二本目。

 同じように下で抜き合わせて、さっと右拳を取る。

 ただ、それだけ。

 

 手順はすぐに覚えられますね。

 あとは、相手の剣をきちんと制しているかどうか。

 逆に、自分の切っ先はきちんと活きているかどうか。

 この二点でしょう。

 体の移動が大事なのは、言わずもがなのことです。

 

 形としては、剣術の型。

 でも、納刀からはじめる居合の形。

 そして、相手の手を制する柔術の技法。

 おもしろいですよね。

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<大石神影流剣術>

 

○試合口

 カジタさんとコバヤシさん、お二人で打太刀と仕太刀。

 久しぶりでしたが、いきなりでも問題なくできました。

 お上手です。

 

カジタさん

 前足が外を抜いて、正対する癖が直ると良いですね。

 

コバヤシさん

 歩幅が大きすぎるのが直ると良いですね。

  前足を進めたら、後足を寄せる。

  後足を退いたら、前足を寄せる。

 基本の運足です。

 

 上体は常に垂直に。前傾したり、後傾したりしない。

 重心が上下しないように。常に、安定を保つ。

 足がドタドタしないように。静かに動く。

 

○陽之表

 続けてお二人で、打太刀と仕太刀。

 

カジタさん打太刀、コバヤシさん仕太刀

 問題なく十本通せました。でも、少しぎこちない?

 お互い、やりにくかったかもしれませんね。

 誰が相手でも、同じようにできるように。

 

コバヤシさん打太刀、カジタさん仕太刀

 コバヤシさん、打太刀は初めて。

 多少、苦労しながらもなんとか。

 よくもまあ、いきなり十本通しでできるものです。

 

 打太刀は、もちろん上位の者がつとめます。

 そうでないと、良い稽古が難しいからです。

 でも、

  打太刀の動きを知って、仕太刀の稽古をするのと

  打太刀の動きを知らず、仕太刀の稽古をするのと

 同じはずがなし。

 形は、打太刀と仕太刀の二つで一つです。陰と陽。凹と凸。

 また稽古をしましょう。

 

 仕太刀の動きは、お一人でエアーで稽古をされているとか。

 打太刀の動きも、お一人でエアーで稽古をしてください。

 言われなくても、自分で稽古をする。良いことです。

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<澁川一流柔術>

 

○履形

 最初にお二人に掛けてみせて、それからお二人で交互に稽古。

 

礼式、負投、裏投、巻返、柔投、返投、捻付

 いつもどおり復習です。

 

 柔術の形は、言葉で説明するのが難しい。

 もちろん、文章にすることは可能です。

 でも、言葉にしてしまうと、なんだか少し違う感じ?

  こう!とやって見せる。

  こう!と体で覚える。

 以心伝心。直伝。口伝。口授。そんな感じです。

 繰り返しやっているうちに、ああこれか!とわかるときがくる。

 同じ体の構造で、同じように動いているのだから当然ですよね。

 

 考えてみれば、文章での説明も同じようなものですね。

 説明する側の意図と、受け取る側の理解。 

 果たして、同じかどうか。確認のしようがありません。

 説明したつもり、わかったつもり。こわいですね。

 常にすり合わせが大事かと思います。

 コミュニケーションの基本ですよね。

 

腰投

 さて、ようやく新しい形。

 形としては投げ。でも、実際には当ての形でしょうか。

 

 同じ形なのに、下段と中段があり。

 さらに、まっすぐ留めても良し、返に取っても良し。

 (下段・中段)(留・返)で、2×2=4パターンですね。

 

 この腰投で覚えるべき大事は、手と足の関係でしょうか。

 手だけで当てても、威力はたかが知れていて。

 足が先でも、効果は薄い。

 手と足を、同時に動かすこと。

 うん、いつもと同じですね。

 

 すれ違いざまに当てること。

 歩く速度で、体当たりするようなものですね。

 うっかり、壁や電柱に当たったことがある人ならご存知。

 歩いてぶつかる衝撃は、かなりのものです。

 その威力が、すべて当ての一点に集中したとしたら。

 それを稽古すべきなのでしょう。

 

 基本ができていない人にとっては、意味不明の形。

 かもしれません。

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定刻を少し過ぎて稽古終了。

お二人だからサクサク進むかと思いきや、いつもどおりでした。

人数が少ないと、ついつい細かく説明しちゃったりして。

かえって時間が掛かったりしますね。スミマセン。

 

いやー、それにしても暑い日でした。

少し動いただけで体に熱がこもって。体中、汗ダクダクで。

こんな暑い日に、よくもまあ稽古なんてするものだ。

皆さん、とんだ物好きですよね。ふふ

 

来週も通常通りの稽古です。

 

 

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